Bilingual Culture Magazine

BROOKLYN CALLING -Lifestyle Designer-

Interview: Rena Suno

ニューヨーク・ブルックリンのライフスタイルをお届けするBrooklynCalling!
今回はニューヨーカーにも風水が人気? NYで活躍するライフスタイルデザイナー愛さんにインタビューを敢行!

ニューヨークには、自分が好きなことを仕事にして輝いている人がたくさんいます。ブルックリン在住のジョンソン愛さんもその一人。
風水とインテリア、カラーコーディネートの知識と経験を組み合わせて、「ライフスタイルデザイナー」という独自の職業を作り上げ、ニューヨーカーたちの快適なお家づくりのコンサルタントとして活躍しています。

© aimjohnson.com

幼少の頃から英語が好きだったものの、31歳で単身渡米するまでは、海外留学の経験もなかったという愛さん。
その愛さんは、どのようにしてニューヨークでの生活を立ち上げ、天職とも言える仕事を自ら生み出したのでしょうか。
愛さんのコンサルティングによって、お部屋のインテリアコーディネートという枠を超えて、自分自身と真剣に向き合うきっかけを持つことができ、人生が上向くようになったという人は多いです。口コミで広がる愛さんのお部屋コンサルティングは、一体どのようなもので、その後、クライアントにどのような変化が訪れたのでしょうか。そして、愛さんが今後目指している世界とは。

 

 

Q ニューヨークで暮らしていくための英語力はどのようにして身につけましたか。

A 小さい頃から英語が好きで、洋楽や洋画を楽しんでいました。また、その当時は、子供向けの百科事典が多くの家庭に置いてあり、私はその中でも英語の巻が大好きで、それをよくめくっては、英語の文法や単語を眺めていました。その百科事典の巻末に載っていたペンパル協会に連絡をして、アメリカと台湾に住むペンパルと英語での文通もしていました。インターネットが発達する前のことでしたので、辞書を片手に手紙を書いてポストに投函し、わくわくしながら返事が来るのを待って、というのを数年間続けました。
大学卒業後、31歳で渡米するまでは、地元愛媛県の松山で、英語教師として働き、最後の数年間は、自分で英語教室を運営していました。英語は常に身近なものだったので、海外で暮らすことになったのは、必然だったのかもしれません。

Q どのような経緯でニューヨークへ渡りましたか。

A 2008年の冬、ニューヨーク旅行の最終日に、たまたま手にした無料の日系紙で、ある学校が教員免許を持った先生を探していることを知りました。帰国後急いで履歴書を送ったところ、先方からすぐに電話があり、その週の土曜日の面接に呼ばれました。それで、ニューヨークから日本に帰ってきた3日後にまたニューヨークへ行き、面接に合格して、ニューヨークへ移住することとなりました。日本に帰ってからは、1ヶ月で自分の英語教室をたたんで、ニューヨークでの生活が始まりました。

Q 教員としてスタートしたニューヨークでのキャリアですが、どのようにして、今のライフスタイルデザイナーへとキャリアチェンジされましたか。

A 日本に住んでいた頃、趣味でカラーセラピストや風水インテリアコーディネータの資格を取得しましたが、渡米した当初は、3年契約で先生の仕事をしていたので、こうした趣味を仕事にすることは全く考えていませんでした。

渡米1年目に、金銭トラブルに陥って、家賃を払えない状況になってしまい、親にも友達にも言えず困っていたのですが、なんとかしなければいけないと思い、先生の仕事の傍らで、3ヶ月間だけアルバイトをすることにしました。日系のレストランですが、夜にはカウンターがバーになっていたようなお店です。
ある日、そのカウンターにやってきたお客さんにニューヨークで何をしているのかと聞かれて、先生と答えたら、ニューヨークは夢を追い求めてやって来る人が多い街だけれど、教師以外に何かないのか、と根掘り葉掘り聞かれたので、風水インテリアの話をしました。そうしたら、その男性が興味を示してくれたのです。値段を聞かれたので、日本で趣味でやっていた時の価格を伝えたら、それは安すぎる、と言って、1000ドル払うから、その人の家のコンサルをしてほしいと言われました。当時の家賃が900ドルだったのでびっくりしましたが、それが、ニューヨークで最初のお家プロジェクトとなりました。恋愛運をあげてほしいんだよね、と言われて部屋を整理していたら、昔の彼女との写真がたくさん出てきて、古いものにしがみついていると新しいものはやってこないから、本当に捨てられない写真以外は処分してください、なんて言いながら一緒に写真を仕分けしたのも良い思い出です。

料理が好きで、各国料理を自在に作ってしまうほどの腕前の旦那さんと、人懐こくて愛らしい猫2匹とブルックリンで幸せに暮らす愛さん。 ©Rena Suno

Q 最初は本業の合間に取り組んでいらっしゃったんですね。その後、どのようにして、本格的なお仕事へと発展させて、独立されましたか。   

A 渡米してからずっと教師としての仕事に追われ、お家のコンサルティングは、友達から頼まれた時にだけ行なっていました。しばらくしてグリーンカードがとれ、その後法律関係の仕事にキャリアチェンジもしました。ただ、その仕事が忙しすぎて、このままでは自分が壊れてしまうと思ったことと、以前お家のコンサルティングをさせてもらったことがきっかけで、今は親友となった方から、きちんとしたビジネスとしてやったほうが良いとアドバイスを受けたことがきっかけで、思い切って法律事務所を退職しました。2017年7月のことです。好きなことを仕事にするために独立してみたものの、安定収入を得られるかとても不安でした。
会社を退職した翌日に、私がやろうとしている仕事は世の中にあるのかなと思って、インターネットの求人サイトで、「風水」「インテリア」というキーワードで検索をかけてみたら、1件出てきました。オンラインスクールが、風水インテリアデザイン講師を募集していたのです。すぐに履歴書を送り、電話で先方と話をしただけで採用が決まりました。オンライン講座が定評の歴史ある学校ですが、前任者が退職した後、後任が決まらずずっと困っていたそうで、私のような肩書きの人はいないから、来てくれてありがとうと、とても喜んでもらえました。
その時、私自身が思っている以上に、風水インテリアを学びたい人はいるんだということに気が付きました。今は、ニューヨーク州公認風水インテリアデザイン講師として、世界中の受講生に風水インテリアデザインを教えています。

© Ai Matsui Johnson
オンライン講座の生徒さんの風水インテリアデザイン図面を添削している様子。

Q 愛さんのお部屋コンサルティングは、具体的にどのようなサービスですか。

A 風水は、3000年以上の歴史をもつ中国の理論です。人間を含めた全ての物には目に見えないエネルギーである「気」が流れているという考えのもとで、人と環境の気を整えることで人々の暮らしに幸せがもたらされると言われています。風水の基本思想である「陰陽五行説」では、全ての物には相反するエネルギーがあり、そのどちらが欠けていても成り立たないと考えます。陰があるからこそ陽が引き立つので、家の中もただ明るくすれば良いとは限りません。
また、それぞれのエネルギーには五つのエレメントが存在していて(五行説・木火土金水)、住人とお家、インテリアの五行のバランスを調節しながら、クライアントとご家族にとって最も心地良い空間を一緒に作っていきます。

風水インテリアをやっている人は他にもいるけれども、私のスタイルは、クライアント一人ひとりに合うようにカスタマイズしている点で、とてもユニークです。クライアントの方が生まれながらにして持っている特性を陰陽五行に基づいて分析し、実際にその方のお家に行って、その人の暮らしぶりやエネルギーを感じて、その人らしさを最大限発揮できるお部屋の作り方を提案しています。
部屋の間取りや方位からエネルギーの流れを見たり、クライアントの方の生活スタイルを聞いて、よりリラックスでき、さらに波動を高める部屋とするために、家具の配置を買えたり、買い足したほうが良いものを紹介したり、といったことを行います。

もし風水だけをやっているのであれば、風水のルールに則ったインテリアを提案すれば良いですが、一人ひとり個性があって、画一的に当てはめることはできません。風水の知識はあくまでエッセンスで、最終的には、お客さんと向き合い、話をしながら、そのお客さんにとってベストなお部屋づくりを提案しています。そこが私の強みと思っています。

© Ai Matsui Johnson
愛さんのコンサルティングの際の資料の一部。

© Ai Matsui Johnson
コンサルティングの際に愛さんが作成したお家の完成予想図。

Q とても面白いお仕事ですね。お客さんからの反応はいかがですか。
A 今まで、30代から50代のアメリカ人や日本人を中心にお仕事をさせていただきましたが、皆さんから喜んでもらえて、ありがたいことに、口コミで仕事の輪が広がっています。私のコンサルティングでは、玄関、リビング、寝室、キッチン、とエリア別に、様々なアイディアを提案しますが、重要なことは、お客さん自身の行動力。
私が提案した家具や小物のサイズが合わなかったり、お客さんが別のアイディアを好まれたりした時には、私の方から代替案をいくつか提示しますが、最終的にどれを選ぶのかはお客さん次第です。
お部屋づくりを通して、お客さんが、自分自身と真剣に向き合い、自分が求めているものを明確化するという過程を通過します。そのため、私がやっているのはお部屋づくりのコンサルティングですが、快適な空間作りを超え、人生で重要なものがより明確になり、生き方や考え方が変わったという人もいます。そうしたことから、「お家に愛を、自分に愛を」というのが私のコンサルティングのキャッチコピーとなっています。

私のコンサルティングを求めて下さる方々は、キャリアがあって向上心が強い人たちが多いです。彼らは、最終的には家をきれいにすることが目標ではなく、きれいな家で自分のエネルギーを高めたいと思って私のところに来てくれています。そして、実際、お部屋作りを通してそのようになっています。
仕事はしんどいものとずっと思ってきたけれども、今は趣味でやってきたことが仕事になっていて、お客さんのお部屋やお客さん自身がより良い方向へ進んで行っている様子を間近で見ることができるのは、とてもやりがいがあります。

© aimjohnson.com
ゴッドハンドでリピーターが多いマッサージサロンMorning Dew
(https://www.morningdewnyc.com/) を経営する三屋久美子さんのニューヨークのご自宅は、ダイニングルームだった空間が素敵なサロンへと生まれ変わりました。お客さんを受け入れる空間とするために、靴箱を設けてお花と絵を飾ることで、玄関から生活感を消しました。

© aimjohnson.com
もともとダイニングルームだった場所をサロンへと改造。ダイニングテーブルをリビングへ移し、リビングとサロンのスペースを分けるために、パネルを吊り下げました。

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Q お部屋の内装を変えたことで人生まで変わってしまうというのは、すごいですね。自分が情熱を注いでいることを仕事にし、生き生きとされている愛さん自身の姿が、お客さんにも良い刺激になっていることと思います。今後の夢や展望はありますか。
A 以前は風水インテリアコンサルタントとして仕事をしていましたが、お客さんのお部屋が快適な空間へと変わるだけでなく、彼ら自身の人生が変わっていく様子を目の当たりにし、私の提供しているサービスは、風水インテリアの枠にはまりきらなくなってきていることを感じました。私がやっているのはただのコンサルティングではなく、お客さんのエネルギーを高めたり、望んだ人生へと進んでいくためのお手伝い。
そんなことから、今はライフスタイルデザイナーとして仕事をしています。私のコンサルティングは、対面だけでなく、スカイプを利用して遠隔の方も受けていただけますが、今後は、ニューヨーク在住の方だけでなく、日本や他の国の人々へもオンラインで私のサービスを提供できるように準備しようと考えています。ジョンソン愛さんのお家コンサルティングの詳細は、HPからご覧ください。
https://www.aimjohnson.com

◼︎Contributor
須能玲奈 Rena Suno
日米の公認会計士。東京での監査法人勤務を経て、2009年からニューヨーク在住。幼少時から好きだった執筆活動を渡米後、趣味として始め、ニューヨークで最大規模の日本語無料情報紙「週間NY生活」で2009年から1年半に渡り、インターンシップを行う。また、ニューヨークで日本文化発信の拠点となっているNPO、J-Collaboの設立時から、日本の芸術、文化活動に貢献している方々へのインタビューと英語での記事の執筆を行っている (http://www.j-collabo.org/blog)。その他、日本の四季についての記事をニューヨークのギャラリーRESOBOXのサイトに寄稿している(https://resobox.com/?post_type=blog)他、女性向けマーケティングサイトLitboxでNY発の情報を発信中(https://litbox.tokyo/)。

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